第1章 影響力の武器
カチッ・サー
ほとんどの人は行動パターンについて無知であり、何も考えることなく機械的に行動している。
人間の知覚における心理現象 → コントラストの原理 = 二番目に提示された商品は一番目に提示された商品の見せ方次第で価値が異なって見える現象で、実際に洋服や不動産、自動車の販売に用いられる手法である。操作しているように見せずに相手を操作する。
第2章 返報性
返報性 = 他人が何らかの恩恵を施したらお返しをしなければならない(心理状況)
相手に借りがあるという気持ちから不必要な要請を受け入れてしまったことが分かる。2人に対し、1人にだけコーラの差し入れをした。その後、2人にチケット購入をお願いしたところ、差し入れを受け取った方が多くチケットを購入したという。返報性には、頼んでいないのに勝手に親切を施されることで恩義の感情が生まれる、という特徴もある。返報性のルールに翻弄されないためには、他者の申し出を受け入れる際に内容をよく吟味して受け入れる姿勢が必要だ。好意による申し出であれば快く受け入れ、戦術に基づく申し出であれば、返報性のルールを適用する必要はなく自由に判断してよい。
第3章 コミットメントと一貫性
承諾誘導 = 一貫性の圧力により承諾せざるを得ない状況を作り出す。コミットメントの内容に段階を踏み、小さな要請から始め最終的には本来の要請を承諾させる「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」。コミットメントによる新しい自己イメージに一貫するよう、様々な要請を承諾してしまう状況に陥ることを知っておく必要がある。
コミットメントが効果的に影響を及ぼすには4つの条件(行動する、公衆の目にさらす、努力を要する、自分の意志で選ぶ)が揃う必要がある。積極的コミットメントにより自己イメージが形成され、そのイメージとの一貫性により行動を起こし、更に自己イメージが強固なものになる。自分の行動が将来の価値観や態度に大きく影響を及ぼす。また、自分自身で行動を選択すると責任は自分にあると考えるようになり、長期にわたるコミットメントを確証することになる。
馬券を買うと買う前より勝つ見込みが高まる気がするのは何故か。これは一貫性を通したい欲求によるもので、一度心に決めるとそのコミットメントと一貫した行動を取るよう圧力がかかり、前の決定を正当化すべく行動しようと考える。これは生活のあらゆるシーンで応用され、人間の行動の動機づけとなる大きな原動力となっている。
承諾誘導の戦術は大きく6つのカテゴリー(返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性)に分類
これらの原理は社会の中で生きる人間にとって不可欠な心理的反応であり、効率的に判断を下す助けとなっている。
しかし、この自動的反応はある刺激で一定の行動を促す作用があるため、この仕組みを利用した商用活動などにより、知らぬ間に行動をコントロールされる恐れがある。
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